ブレーキマスターシリンダー&マスターバックのオーバーホール 


ブレーキマスターシリンダーのオーバーホールをしました。その記録です(2015年5月)。

前回のオーバーホールはディーラーにて2003年11月にやってもらってたので11年半ぶりです。
距離にして32000kmぶり。
今回は自分でやってみようと思います。


これは解体車のアンフィニくん(アンフィニ4)から外したブレーキマスターシリンダです。
GT-Limitedと同じ15/16インチサイズのシリンダです。異なる点は、ブレーキパイプをつなぐ穴の数だけです。
 ・GT−Limited フロント用1ヶ所&リヤ用1ヶ所(フロントがABSのH/Uに繋がってから2又に分かれるようになっているため)
 ・アンフィニ4   フロント用2ヶ所&リヤ用1ヶ所
なので うちのFCの場合、アンフィニ4用に変えても何の変化もありません。


さるFCはすでにABSを撤去しているのでマスターシリンダはブレーキパイプをつなぐための穴が3つある方がスッキリ設置できます。
なのでオーバーホールついでにこのアンフィニ4用の方に変更しようと思います。
あくまでオーバーホール目的と、3ツ又配管を排除してスッキリさせるのが目的です。

さっそくバラしていきます。タンクの固定ネジを外して、シリンダー本体からタンクをひっこ抜きます。


引っこ抜くための道具で何か良い物はないか考えてたらちょうど良さそうなものがありました。
キャリパーのピストンを押すための工具です。これを片側に入れて開いていきながら反対側でも平行になるように押し上げていきます。


ここまで抜けたらあとは手でスポっと引っこ抜きました。



今度はシリンダー内部の分解です。整備書に載ってる分解図。


中のピストンを固定しているスナップリングを外します。


そしてワッシャを外して1つ目のピストンを出します。


奥に入っている2つ目のピストンは裏側のネジで飛び出さないように固定されてるみたいなのでそのネジを外してから2つ目のピストンを取り出します。


タンク用のゴムブッシュとシリンダー根元のOリングも外して全バラ完了。


パーツクリーナーやブレーキフルードでシリンダー内を洗浄しておきました。





マスターシリンダーのインナーパーツキットですが、FC用の品番でディーラーに注文したところ品番が異なった物がきました。
「CA」から始まる品番。どう見てもFC純正品ではなさそうです。 ・・・・が、これが適合するらしいので問題ないかと。


シリンダーを綺麗にした状態で・・・


インナーパーツキットを組み立て図通りに組み付けました。バラした時の逆の順番で。


そしてタンク用のブッシュを押しこみました。


んで、タンクを押しこみます。 ゴムブッシュには付属のオレンジ色のグリスを塗ってからタンクをはめこみました。


これでマスターシリンダ自体のオーバーホールは完了。



そして今まで使ったいたGT-Limited純正のマスターシリンダを外していきます。


これまでのブレーキ構成ですが、ABSを撤去した際に○で囲った分岐ブロックでフロントブレーキの左右を振り分けていました。
今回のオーバーホールでは、アンフィニ4用のシリンダを使うので、この分岐ブロックを取り外すことができます。



マスターシリンダを外す準備をします。注射器でフルードをチューチューと吸い上げました。


そして分岐ブロックを取り外します。ブレーキパイプにはフルードが漏れないように自家製の「栓」をしています。


そしてブレーキパイプをシリンダから切り離した際にメクラのプラグをはめておきました。メクラですが1/8インチです。
同時にPバルブも外しておきました。


次にマスターシリンダを固定している根元のナット2個を外します。


そしてブラケットを外します。 フルードが漏れたために塗装がふやけたようになって錆も発生しています。。


マスターシリンダも引っこ抜きました。 マスターバックは錆びてひどい状態です。中まで逝ってなければいいが。。


取り外したマスターシリンダ



表面の塗装はひどい状態です。 とりあえずペリペリと剥がしていってみました。


錆の状態があまりにも広範囲なので、やっぱマスターバックも取り外してみることに。 負圧用のホースを外します。


取り外した状態。 ホースの片側が密着していたので砕いて取り外しました(^_^;)


室内に入って、マスターバックとブレーキペダルが繋がっているピンを抜き取りました。


そしてナット4個も取り外し。


んで引っこ抜きました。ブレーキパイプが多少邪魔になりますが適当によけながら取り外します。


下半分が主に錆びていました。


解体車のアンフィニくんから外したマスターバックは、ブレーキフルードが内部まで入り込んでしまってましたがこれは大丈夫そうでした。
しかし錆がひどいです・・・。



再度取り付ける前に綺麗にしていこうと思います。
まずはブラケット。ラストリムーバーに数時間漬けておいて錆を除去しました。すごい威力です。


そして黒(半ツヤのサッシュコートという塗料)で塗装しておきました。


マスターバック側も可能な限り錆を落としました。錆落としにはペーパーや研磨スポンジ、ワイヤーブラシなどを使いました。


まずはPOR-15で黒く塗ります。多少錆が残っていても封印してくれる、というものだからです。


表側はプラサフ&サッシュコート(半ツヤの黒いスプレー)で仕上げておきました。これで見た目は復活。


これでマスターシリンダー&マスターバックの組み付け準備は完了です。



組み付け作業に入るわけですが、予習の段階で私が一番難しそうと感じていたのが、
マスターバックのプッシュロッド」 と 「マスターシリンダのピストン」 とのクリアランス調整です。



クリアランスの基準は整備書にこのように記載してあります。
私は負圧をかける道具を持っていないので、
マスターバックに負圧がかかっていない状態ですき間が「0.4〜0.6mm」
を基準にしようと思います。



マンガで書いたら下図の場所のスキマのことです。
ここのクリアランスが大きすぎると、ブレーキペダルを踏んでからブレーキが効き始めるまでに少し間があいてしまうんだと思います。
逆にクリアランスが無いと(というか最初から押しすぎている場合は)ブレーキペダルを踏んでいないのに少し踏んだ状態(ブレーキ引きずり)になってしまうみたい。
ブレーキという重要な部分だけに今回このクリアランスに関してすごく神経質になって作業しました。。



整備書ではSSTでキッチリと測定できるようになっていましたが、そのような物はもちろんないのでノギスで測定しました。
(みん友のminokabuさん自作SSTを作成されていました。すごい!)

マスターバックのプッシュロッド先端までの距離はノギスのデプスゲージ側で測定。
板を置いてから測定し、そこから板厚を差し引いた値をマスターバック端面からロッド先端までの距離としました。


できる限り垂直にあてて測定しないと測定誤差が出るので何回も何回も測定し一番多く出た値を使いました。
私のマスターバックの現状の値は9.8mmでした。


マスターシリンダのピストン内部の奥行の測定はビスの先端をとがらせてワッシャを当ててから固定し、それをノギスで測りました。


それ以外にマスターシリンダのあちこちの寸法を測定し、マスターシリンダ取り付け部とピストンの穴の底までの距離を算出。
計算上で出た値は9.2mm(赤い文字部分の寸法)


ということで、「マスターバックのプッシュロッド」 と 「マスターシリンダのピストン」 とのクリアランスは、
9.8 - 9.2 = 0.6mm ということになりました。

マスターバックに負圧がかかっていない状態ですき間が「0.4〜0.6mm」の基準内に入っているのでOKということに。
参考までに、今まで付いていたGT-Limited純正のマスターシリンダも測定値が同じだったので大丈夫かと。

念のために、マスタシリンダをマスターバックに仮付けして地面におさえるようにしてプッシュロッドを押してみました。
少しだけプッシュロッドが動くと、カツカツとシリンダのピストンに接触する音(感覚)が伝わってきます。
こんか感じでわずかなスキマ(計算上では0.6mm?)が確保されていることが確認できました。

これなら負圧がかかった状態(エンジンをかけている状態)でプッシュロッドが0.3mm伸びてきたとしても
ピストンを押してしまうことなく(ブレーキを引きずることなく)クリアランスは確保できると思います。

念のために今まで使っていたマスターシリンダを仮付けして同じようにプッシュロッドを押してみましたが、
同じようなカタカタ具合(クリアランス)でした。 あくまで感覚的なものですが。



マスターシリンダとマスターバックのクリアランスも問題ないと判断できたので、ようやく車両に組み付けていくことができます。
新品のガスケットを入れてバルクヘッドに挿入!


室内の足元にもぐりこんで固定ナット4個を締め、元通りにペダルのステーとピンで連結します。


マスターシリンダを取り付けてステーをはめて固定ナット2個を締め付けます。


左の写真のパイプはマスターシリンダからPバルブまでのやつです。今までと同じ物ですが新品があったので使いました。
右側の写真は廃品をガラクタ箱から引っ張り出してきました。マスターシリンダのエア抜きに使おうと思います。


この3本のパイプをマスターシリンダのパイプ接続口3ヶ所に接続します。


そしてチューブをつないでおきました。


注射器でチューチューと吸ったり、ブレーキペダルを踏んだり、とりあえずマスターシリンダ本体のエア抜きをしてみました。
いきなりキャリパーからまとめてエア抜きしようとするとエアが抜けなくて大変みたいなので。


マスターシリンダ本体のエア抜きが済んだらリヤ用のPバルブと本線のブレーキパイプ(リヤ)を接続しました。
またフロント用の左右のブレーキパイプも、エア抜き用に仮付けしていたパイプを外し本線のパイプと接続。


フレアナットレンチで締める訳ですが長すぎてボディにあたってしまい回せません。
8mmの方は犠牲になってもらうことに。 これでショート化しました・・・。


ストラットの部分のレンチが当たらなくなったので適度なトルクで本締めしておきました。 これで固定完了。



今までのABS用だとフロントのブレーキパイプ用出口が1本しかなかったので分岐ブロックを使って左右に振り分けていましたが、
アンフィニ4にはABSが付いていないので最初からマスターシリンダ自体がフロント用に2つ穴があります。
なので下の写真のように分岐ブロックがなくなり非常にスッキリしました(^-^) シンプル イズ ベスト♪

<変更前>ABS撤去時 分岐ブロックで三つ又にしていた


<変更後>分岐ブロックがなくなりスッキリと



最後にブレーキキャリパーから全体的にエア抜きを実施。
「右後ろ → 左後ろ → 左前 → 右前」の順番で念のために2周繰り返してエア抜きしました。


使ったフルードは600ccぐらいでしょうか。


最後に負圧用のホースを接続します。 このホースの中にワンウェイバルブが入ってるようです。矢印のマークが印刷されてました。
ホースバンドは古いものを再使用しました。


元通りに差し込んでバンドで留めるだけ。


ブレーキパイプに変な応力がかかっていないか?など接続部を中心にニジミも含めて最終チェック。
作業中にはできるだけ接続部分に無理なくはめ込めるように、馴染ませるような感じでパイプを手で曲げたりしています。


これで作業完了です!
ブレーキという重要な部分だけに無駄に時間をかけてしまったような気がします。
でも何か心配事を抱えながら作業を進めるのってイヤですもんね。とりあえず作業が済んでホッとしました。

余談ですが、GT-Limitedについていたブレーキマスターシリンダのタンクには写真のようなフィルターがついていました。
すごく目の細かい網目のものです。ABS用のハイドリックユニット(H/U)に異物を混入させないようにするためですかね。
今回からアンフィニ用の網目のないやつに変えておきました。(網目が破れていたので。。)



ブレーキマスターシリンダのオーバーホール後にドリ練でブレーキのフィーリングをチェック。
今までと変わらない踏み心地と効き。作業に問題がなさそうで良かった♪


以上です。


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