クラッチ交換とフライホイール交換 前編


クラッチとフライホイールを交換した記録です。(2008年10月)

クラッチ交換するには、まずはミッションを降ろします。ミッション降ろしの紹介はこちら

ミッションを降ろしたら、クラッチとご対面です。純正クラッチです。


フライホイールの回り止めをしようと思います。
マツダ純正の工具も販売されてるみたいですが、私はネットで見つけた社外品(回り止め)を買って持っていました。
それを使います。


クラッチ右上に見えるネジ穴に、この回り止めをボルト2本で固定します。フライホイールのギザギザに合うようになってます。


クラッチをとめているボルト6本を外すわけですが、ボルトを外しても落っこちないようにメンドラ等を挿しておきます。

※写真のメンドラはFDミッションの廃材です。

ボルトを外します。


そしてクラッチディスクとクラッチカバーをメンドラと一緒に外します。




まだ使えるといえば使えるかもしれませんが、今回の目的は社外クラッチ(強化クラッチ)にすることです。


クラッチディスクとカバーを外したら、次はフライホイールを外します。
フライホイールはエキセン後端に54mmのナットで固定されてますが、今回の作業で一番びびってるのが、このナット外しです(^^;
以前購入しておいた54mmのソケット。差し込み角は3/4インチ(約19mm)です。


延長パイプとして単管パイプ1mを準備しました。
そして車両の下にもぐって「ぐりゃ〜!!」と力を入れると、「カキンッ!」という音とともにナットが緩みました〜(^o^)

作業前から、かなり構えていたことだけに、すんなり外れたのはすごく嬉しかったです(笑)

そしてエキセン後端のツラまでナットを緩めました。フライホイールを外すのにプーラーを使うためです。


手持ちの汎用のプーラーを使って外そうと思います。このプーラーはM10のネジが切ってある棒が付いてます。
親切に、1.0mmピッチと1.5mmピッチの2種類が付いてます。 ・・・が、フラホのプーラー用ネジ穴は1.25mmピッチでした(><)


プーラー付属の棒が使えないことが分かったので、M10-P1.25mmのボルトを買いに行きました。
近所の店にあるのはあったんですが、最長でも40mmの長さしか売っていませんでした。。100mmは欲しいところ。
しばらく悩んで、「ボルトを溶接して使えばいい」ってのを考え付き、M10-P1.25mmで長さ40mmのボルトを買って帰りました。
そして普通のM10ボルト(P1.5mmで長さ70mm)を準備して、頭同士を溶接しました。
相変わらず下手くそな溶接ですが、プーラー使用中に外れたら危険なので、しっかりと溶接しておきました。


そしてはしっこにナットを入れておいて、プーラーで使います。右の写真は、プーラーを当てる台座です。
ステーの端材を重ねてテープでぐるぐる巻きにし、プーラーを当てるくぼみをドリルでセンターに入れておきました。


フラホに先ほど溶接して作ったM10ボルトをねじ込みます。


そして台座を当てておいてプーラーでグイグイとフラホを引っ張ります。
すると「カンッ!」って音とともにフラホがエキセンから外れました。54mmナットを残しているので飛び出して外れることはありません。

※フラホはバールでこじったりしても外れるでしょうが、エンジン内部のスラスト方向へのダメージがあるらしく、あまりよろしくないらしいです。

ナットを外します。そういえば台座に使ったステーを重ね合わせたものですが、右の写真のように「Vの字」に曲がってました(^^;


すでにゆるゆるになってるので、手でフラホを取り外します。


まだら模様になってるディスクとの接触面。クラッチをつなぐ時に特別違和感とかは無かったです。


エキセン後端のオイルシール。雑誌とかでもよく見ます。
このステーショナリーギヤのオイルシールと、Oリングからのオイル漏れがよくあるらしいです。(以前joshuさんに教えてもらいました^^)。
そこで、うちのFCのオイル漏れ状況を観察してみますと、オレンジ色のオイルシールの下部にオイルがにじんでいます。。


さらに下の方へうつってみて、オイルパン付近までオイルが溜まったような形跡が見られます。漏れてたのか?!(^^;キズカナカッタ

ただし、ステーショナリーギヤの下(エンジンのハウジング)には全くオイルにじみが見られません。
ということは、内部のOリングからのオイル漏れは無く、オレンジ色のオイルシールからのみオイルが漏れてたと推測されます。

オイルシールとOリングは、いちおう両方準備してましたが、Oリング側は大丈夫そうなので、オイルシールだけ交換しようと思います。


適当にこじったりしながらオイルシールを外しました。


新品の写真。


オイルシールリップ部にグリスをつけておいて、リップ部を傷めないように外周を狙ってハンマーでコツコツと叩きいれました。


こんな感じ。


次はカウンターウェイトを取り付けます。
今回のために買っておいたマツダスピード製の軽量フライホイール(とカウンターウェイトのセット)です(^-^)


オイルシールとの接触面にエンジンオイルを塗布して・・・


エキセンの「キー」の位置に合わせてはめ込みます。

はめ込んでいるだけで固定はしていません。

せっかくなので、エキセンの中心に入っているベアリングも交換しようと思います。
この部分は、ミッションのメンドラ先端が挿さる部分で、雑誌とかでも紹介されてなく、マイナーな部分に思います。
REじゃない普通のエンジンだったら、フラホのセンター部分のパイロットベアリングに相当する物だと思います。

実際私も気にしたことなかった(知らなかった)んですが、ヤフオクでレリーズベアリングの未使用品を買った時に
いっしょにセットで付いてきたもので、その時にどこに使う部品なのかを調べて、初めて知りました(^^;
今回交換したオレンジ色のオイルシールと、エキセンのニードルベアリング&オイルシールは、実はオマケ感覚でGETしたものでした(^^ゞ

抜き取り作業に入ります。
パイロットベアリングプーラーというものを、ストレートのセール中に買っていたので、今回初めて使ってみます。

いろんなサイズが揃ったセットもので、今回のニードルベアリングの寸法に一番近い15mmを使おうと思います。

しかし、使おうと思ったら使えませんでした(><) ニードルベアリングの内径は約14mm。プーラー側は15mmです。。
そのままではベアリングの内部を通すことができません。。
しかし迷ってはいられません。躊躇せず削りまくりました。先端のツメ部分もなんとか作れました。これでRE専用工具です(笑)


スライディングハンマーもセットで買っていたので、これも今回初めて使います。
先ほど削った現物合わせのプーラー先端部分をエキセン内部のニードルベアリングに通し、プーラーの芯を入れて広げ、
ハンマーを合体させて「カンカンッ」と引っこ抜きました。


うまいこと抜き取れてホッとしました。


エキセン内部には写真のようなニードルベアリングとオイルシールが圧入されています。
オイルシールはゴム部分が硬化ぎみでボロボロになりかけていたので、今回交換することにして良かったです。


もともと入っていた向きを良く確認して、その通りの向きで挿入(圧入)します。
ベアリングは方向はないのかもしれませんが。オイルシールは方向が決まってるようです。


ベアリング内部にグリスを塗りまくります。そして14mmのソケットを当てておいて、ハンマーで叩き入れました。

挿入の際は、奥で止まる場所が無さそうなので、慎重に少しずつ叩き入れました。
どこまで入れるのか分からなかった(整備書でも見つけれなかった)ので、もともと入っていた寸法を測っておいて、
その寸法通りに入れました。

オイルシールも同様に14mmのソケットを当てて、ハンマーで叩きいれました。


こんな感じ。


54mmのナットですが、ネジ山部分と座面部分にシール剤(液状ガスケット)のようなものが塗布されていました。
ガスケットリムーバーを吹きつけて、真鍮ブラシ等で綺麗に剥がしておきました。


とりあえず仮止めしておきます。
本来は、カウンターウェイトの回り止めをするSSTを取り付けておいて、このセンターナットを先に本締めするみたいですが、
SSTを持っていないので、先にフライホイールを取り付けようと思います。


マツダスピードのフライホイールです。外周側にたくさん穴があいていて、純正フラホと比べ慣性力も少なそうです^^
フラホの固定ボルトはデフのリングギヤ固定ボルトと同じ物っぽいです。


裏側はこんな感じ。


マツスピ付属の取説にはネジロック剤をボルトに塗るよう書いてなかったのですが、「13BT TUNING」という本には
塗布するよう書いてあったので、それに習って少量塗布しました。


いじりが好きなセブンオーナーの方は持っておられる本かと思いますが、今回も重宝してます。
今まで何回見たことか(^^;


フライホイールをカウンターウェイトにセットして、先ほどのネジロック剤を塗布したボルトで締め付けます。
6kg→8kg→10kgと3段階に分けて締め付けました。フラホの回り止めSSTが効いているので問題なく締め付けできます。

マツスピの取説には締付トルクが約6kgと書いてありましたが、あまりに弱いと不安に思い、本に習って10kgにしました。

フライホイール取り付け完了。これで回り止め工具が使えるようになったので、真ん中の巨大ナットの本締めができます^^



予想外にレポが長くなったので、続きは後編にします。

クラッチ交換とフライホイール交換 後編 へ続く


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