エンジンの振動 原因調査と対策


クラッチとフライホイールを交換した後、少し経ってから振動が増えてることが気になり始めました。
その振動の原因調査と対策の記録です(2008年12月)

先日交換したのはこれ。
マツダスピード軽量フライホイール(&カウンターウェイト)とデュアルフリクションクラッチと・・・


O/Hしたミッションの、合計3つの駆動系を交換(取り付け)しました。


これらのものを交換後にも、慣らし運転や走行会などいくらか走ってるのですが、その時は振動のことは気になっていませんでした。
それから11月も下旬に入り、暖機運転中の回転数が高い時(2000rpmぐらい)時に、「なんか振動が大きいな〜(一一)」と感じ始めました。
この時(走行会後)に振動が大きくなったのか、ただ単に気付いてない(気にしてない)だけだったのかは自分でも分かりません(^^;
そこで、原因調査および対策実施をしてみることにしました。

【症状】
・回転を上げていくと、ダッシュがビビったり、ボディが振動してるのをシートやステアリングを通じて身体で感じ取れる。
・回転数を上げると振動が大きくなるわけではなく、回転数に応じて振動の周期が短くなるといった感じ。
・クラッチを切った状態で回転をあげてみても症状は同じ(ミッションの要因ははなさそう)。
・暖機終了後にアイドリングが800rpmぐらいに落ち着いた時は、そこまで振動は感じない。

【エンジンの振動】
エンジンの振動には大まかに分けて3通りあると思います。
1.エンジンそのものの振動
2.マウント類や干渉物に依存する振動
3.回転物(フラホ等)に起因する振動

【1の対策】
まずは、エンジンそのものの振動の要因としてあげられるプラグを新品に交換してみることにしました。
ネットで調べてみると、プラグがかぶり気味だったり劣化していたりしたら、振動の要因になることもあるみたいです。
他にプラグコードも古くなった場合、点火不良によりエンジン振動が起こる可能性もあるみたいです。
今回コードはまだ新品から1万km未満なので除外します。

新品プラグは一番無難な純正を買いました(今回も亀仙人さんのところでネットで購入)。

さっそく交換してエンジンをかけてみました。 しかし、というかやはり症状は変わりません。。
まあこれは最初からあまり関係ないと思っていたので、純正新品プラグは予備として持っておくことにしました。

これは外したイリジウムレーシング。中央の点火部分は純正のように太くないので、純正プラグとの比較はできません。
またこのイリジウムレーシングに戻しておきました。まだまだ使えるので。

「エンジン自体の振動は無い」ということに結論付け、それ以外の場所を調査することにしました。


【2の対策】
マウント類や干渉物のチェックをします。
干渉物ですが、エンジン周りやミッション周りなど、くまなく見ましたが、干渉しているものは無さそうでした。。

次はエンジンマウントの劣化をチェックします。

ここが破断していたり、劣化していたら、エンジンが揺れる要因になる場合があるみたいです。

しかし、私の場合は「振動」。エンジンマウントが要因の場合はどちらかというと「揺れ」。だと思います。
大げさに表現すると、
 振動=ブルブル
 揺れ=ゆさゆさ です。

とはいえ、一つずつ原因を探っていかないとどうしようもないので、エンジンマウントのチェックをしてみます。
カップリングファン、エアクリ、タワーバーなど、干渉しそうなものをすべて外します。


そしてエンジンを下からジャッキでグイッと上げて、マウントを摘出します。


交換してからまだ比較的新しいので、これも予想通りではありますが何の問題もありません(-_-;)

せっせと元に戻しておきました。


【3の対策】
もう他に疑うべき場所がないので、あまりやりたくはないですが、フライホイールなどの回転物をチェックしてみようと思います。
まさかすぐに降ろすことになるとは思わなかったんですが、ミッションを降ろす準備をせっせとします(^_^;


そして降ろしました〜っ。。

前回降ろしてからまだ日が浅いこともあり、少しは作業スピード(段取り)も速くなりました。写真も撮っていませんし。
しかしやっぱ私にとっては非常に重整備(重作業)のひとつに変わりはありません^^;

まずは降ろしたミッションのメンドラの状態をチェックしてみました。

メンドラが曲がって偏芯していないか確認です。
問題なさそうです。ヨカッタ(^^;A

次はクラッチ。
パッと見、異常はありません。ってか、異常なんか私が目で見ただけで分かるわけありません(笑)

眺めていても先に進まないので、せっせとクラッチを取り外しました。

次はフライホイールの振れをダイヤルゲージを当てて、手でフラホを回転させて測定してみました。

数値がいちばん小さい場所と、数値がいちばん大きい場所との差は「0.22mm」でした。
整備書では振れの限度が0.2mm。ほとんど新品なのにすでに限度値を超えています( ̄▽ ̄;)
ほぼ新品なので、表面がデコボコしてるわけではありません。

なぜ基準値を超える振れが出てるのか考えてみました。
・マツスピのフラホの面がちゃんと出ていないか反っている。
・カウンターウェイトとフラホとの組み付け不良
・エキセンとカウンターウェイトとの組み付け不良

などが考えられますが、どれも付くようにしかつかない(勝手に位置決めされる)ので、組み付け不良ってのはあまり考えられません。
私自身、丁寧に作業したつもりですし。。(「つもり」というのが一番怪しかったりしますが(笑))

また眺めてるだけでは進まないので、フラホをカウンターウェイトから外してみました。
そしてカウンターウェイトの面にダイヤルゲージを当てて、手で回転させながら振れを確認してみました。

この測定値は0.1mmでした。
0.1mmってまずまず小さい値のようにも思えますが、カウンターウェイトはフラホよりもかなり直径が小さいです。
あの小さな直径のものにしては0.1mmってのは大きな値に思えます。。エキセンがひん曲がってるんでしょうか(ToT)
泣いていても進展はないので、センターの巨大ナットを外してカウンターウェイトも外しました。

そして今まで使っていた純正フライホイールを取り付けてみました。
純正では振動は感じていなかったので、純正状態と比較してみるためです。
センターナット(54mm)を仮締めし、手でまわして振れを測定してみました。

こんどは0.07mmです。かなり振れの値が小さいです。やっぱ純正だからなのか??

もう一度、カウンターウェイト&マツスピフラホを取り付け(仮締め)して、振れを測定してみました。
最初に測ったの時は0.22mmの振れでしたが、こんどは0.09mmです。良い値です。ナンデジャロ(?_?)

この症状の変化にかなり悩みました。そして自分なりに結論を出しました。

センターの巨大ナットを約50kgのトルクで本締めした時の値よりも、仮締め時の方が振れが小さいのではないか?
ということは、純正フラホでもマツスピフラホ(&カウンターウェイト)でも極端 に振れは変わらないのかもしれない。
と思い、また懲りずにマツスピフラホに戻すことに決めました。

しかしそのまま同じように戻したのでは何の改善もないかもしれません。できるだけ無駄骨は折りたくありません。
そこで、フラホの取り付け穴(6つ)の固定位置を変更しながら仮固定し、その都度振れを測定しました。

そして、「一番振れが少ないであろう場所」でフラホ固定ボルト6本を本締めしました。
(どの位置で固定しても振れに変化はないかもしれませんが、いちおう気持の問題程度で判断して固定しました)。

ボルトやネジ穴の古いネジロック剤を綺麗に取り除いて、再度ネジロック剤を塗って本締めしました。


この状態でフラホの振れを測定した結果、0.08mmでした。かなり良い数値です。
しかしまだセンターの巨大ナットは仮締め状態です。


そして中央の54mmナットも約50kg・mで本締めしました。
(このナットも古いシール剤を綺麗に取り除いて、再塗布しました)。

(巨大トルクレンチは持っていないので、また体重計が活躍しました^^;)

私の仮説では、センターの巨大ナットを本締めすると「振れ」が大きくなってしまいます。
ビビリながら振れを測定してみました(^^; 測定した結果、0.17mmでした。。

やはり仮説通り、本締めするとどうしても振れが大きくなってしまう傾向がありますが、
とりあえず整備書に書いてある「0.2mm以内」ではあるので、OKとしました。
バラす前よりも0.05mmは振れが改善されていますし。

これでフライホイール&カウンターウェイトの部分で、やれるだけのことはやりました。

次にエキセンセンターのニードルベアリング&オイルシールを交換しようと思います。
これは前回交換したばかりですが、その時は打ち込み深さの具体的な寸法が分からないまま打ち込んだので少し不安がありました。
そこで今回、ちゃんとした圧入深さの寸法を(亀仙人さんに)教えていただき、その通りに打ち込み直しました。
(特別高価な部品ではないので、念のため新品にしました)。

ここを交換した理由としては、ミッションのメンドラが挿さる部分がニードルベアリングのせいで悪さをして振動の原因になっていたらいけないからです。
直接的な影響はないかもしれませんが、少しでも不安要素を取り除く意味で、打ち直しました。

最後の回転物系の要素としてクラッチ(カバー)があります。
クラッチカバーはフラホのピン(3ヵ所)に合わせて取り付けるので、120度ごとに向きを変えて取り付けできます。
そこで最初に取り付けていた位置にあえて戻さずに、それよりも120度変えて取り付けました
(外す時に元の位置はマーキングしていました)

元の位置からズラして取り付けたのは、振れの原因がクラッチカバーの重心のブレ(回転バランス)にも起因してるかも
しれないからです。
重心をズラそうという苦肉の策です(^_^;) (とはいえ、メーカーにて元々バランスがとってある物ではありますが。。)


これで自分でできそうなことはすべてやりつくしました。あとはミッションなどを元に戻すだけです。

戻すだけとは言っても、私にとってはこれまた重整備(重作業)です(^_^;)
ショップとか、クラッチ交換を2時間でされるようですが、ほんとすごいと思います。
私はミッションを合体させるだけで1時間ぐらいかかります^^;
それからミッションの固定・セル・ペラシャ・遮熱板・触媒・マフラー・I/C・シフトレバー・アンダーバーなどなどもろもろ作業してたら、
さらに2〜3時間かかります(><)


今回ミッションの合体の作業をする際に、前回の教訓を活かして、「メンドラの軸をいかにまっすぐに合わせるか」を心がけました。
軸合わせのため、まずはエンジンを後ろに傾斜させます。
少しでも傾きやすいようにエンジンマウントの固定ナットを少し緩めました(純正マウント自体やわらかいのであまり意味はないかもしれません)。
そしてこのようなエクステンションバーを準備します。何個が繋げて適度な長さに合わせます(突っ張り棒がいいかもしれません)。
そしてオルタなどを手で押してエンジンを後ろへ傾けて、そこへこのつっぱり棒を入れて傾斜状態を保ちました。


ミッションのメンドラの先っぽを下から覗きながら、クラッチセンターにじわじわと近付けていきます。
そしてある程度まで近づいたら、ジャッキを少し上げていきます。


センタートンネルにミッション後端(シフトレバー取付部)が干渉するかしないかのギリギリまで上げたら、
さらにクラッチ側にミッションを押します。
メンドラが変な場所にぶつからないように(見えないけど)注意しながらミッションを押して、
シフトレバーが挿さる穴へミッション後ろ端を入れることができたらもっとジャッキアップします。

この穴の位置までミッションが入れば、ミッションとエンジンが一直線(平行)にできるので軸合わせはラクショーです。
軸が合えば、あとは手でやんわりと最後まで合体させます。今回は足で蹴ったりしなくてもOKでした^^

合体したらあとはひたすら元通りに組み付けていきます。
元に戻す作業の途中に、マウント類に異常(変な浮きやズレ)がないことを確認したり、干渉してる箇所はないか確認したり、
目を光らせて作業しました。

ミッションとエンジンを固定するボルトの本締めをしたら、ミッションマウントを取り付けます。


ペラシャ、マフラーハンガー、セルモーターなど着々と戻していきます。


遮熱板2枚も元通りに。


触媒、マフラー、排気温センサー、エアポンプ配管、スピードメーターケーブル等などどんどん戻していきます。


最後にミッションのクラッチハウジングのフタと、アンダーバー、インタークーラーやシフトレバーなど、もろもろ元通りにします。
そしてウマから降ろして、作業完了です!



【作業完了後の結果(インプレ)】

さっそくエンジンをかけてみました。ドキドキです。

まず暖機中の振動ですが、あまり変わらずステアリングにも伝ってくる感じがします。
・・・やっぱまたダメなんだろうか。。(TT)
そして暖機終了後のアイドリング(約800rpm)では、以前もそうですがあまり振動は感じません。

それから恐る恐る運転してみました。
半ばあきらめモードでエンジンの回転を上げながら振動を確認しました。

すると振動がなくなっていました!(^O^)

3000〜6000rpmまでいろいろ試してみましたが、内装がビビるとかもないですし、
シートやステアリングを通じて感じていた振動も影を潜めました。
ただ、純正フラホ時と比較したら、やはり振動が少し大きいのかもしれませんが、
これは身体だけではあまり体感できないレベルだと思います。

結論としては、いちおう解決できました。
結局原因が何だったのかは分かりません(--;)

原因の候補としては、
1.エンジンマウント(今回は関係なかった)
2.フラホの取り付け位置(当り面の微妙な取付平面度の問題)
3.フラホの取り付け位置(回転角方向の微妙な重心の問題)
4.クラッチカバーの取り付け位置(回転角方向の微妙な重心の問題)
5.エキセンセンターのニードルベアリングの取り付けがまずかった
6.いろいろ組み付け直したら、たまたま解決した(^^;
ぐらいしか考えられません。。

でも直って良かったです^^ 苦労した甲斐がありました!
今回、プラグ購入のタイミングで亀仙人さんからいろいろとアドバイスをいただきながら作業しました。
どうもありがとうございました!
原因究明はできませんでしたが、結果オーライとなりました^^


うれしくて写真をパチリ!


メリークリスマス!!(^o^) ←まだ12月半ばです。。

ピンボケすみません。


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