フロントブレーキキャリパーのオーバーホール


フロントブレーキキャリパーのオーバーホールをしました。その作業記録です。(2006年9月)
※整備書を参考にしながら自分なりの解釈で作業をしています。ブレーキは非常に重要な部分なので、もし参考にされる方がおられましたら自己責任にてお願いします。また今回O/H用のシールキットは純正ではなくseiken製を使用しています。純正とはグリスの色が若干異なるかもしれません。

まずは車両からキャリパーを外します。
フロントをジャッキアップして、ウマをかけてホイールを外します。


パッドピンをとめているクリップを引っこ抜きます。


パッドピンを引っこ抜きます。(上下2本)


Mクリップを外して・・・


パッドを抜き取ります。


ブレーキパイプを固定している金具を抜き取ります。


キャリパーを固定している上下のボルトを外して、キャリパーを外します。


キャリパー側のブレーキパイプのフレアナットをレンチで緩めて外します。
当然、ブレーキフルードがたれてくるので、栓をしておかなければなりません。私は写真のようなチューブとネジを使いました。


キャリパー側は、適当に合うサイズのネジで栓をしておけば不用意にたれることがありません。


次にキャリパーのオーバーホールです。
※ここからは、FD3S用のキャリパーを使っての作業になります。基本的に同じ構造なのでFC用との違いはないと思います。

オークションで手に入れたFD3S純正16インチキャリパーです。
3型についていたと言われるキャリパーですが、とにかく綺麗。物が届いて見て、うれしい誤算でした(^-^) しかも5,000円もしない破格。


パッと見、オーバーホールしなくても全然OKな状態でしたが、キャリパーシールキットを購入していたので、オーバーホールすることにしました。




FCの時と同じように、クリップ、パッドピン、Mクリップを外してパッドも外します。


シム類もとてもきれいです。ピンは磨いてから使います。パッドはFCで使っていたものをそのまま移殖する予定です。


ダストシールの劣化も破れも見られません。。マジでこのまま使おうかかなり悩みました(^^;)


悩んでいても進まないので、バラしにかかります。まずはダストシールを固定しているスナップリングを外します。


リングの切れ目から外すとラクです。


次にピストンを外しにかかります。ブリーダープラグを緩めて手頃なサイズのチューブをはめ、キャリパー中央にピストンを受ける板を入れておきます。


自転車の空気つぎに使うポンプをつないで、シュポシュポ空気を送ります。


すると、「ポンッ」って感じにピストンが次々と飛び出します。

この飛び出した状態だけでピストンを抜き取ることができればそれでよいのでしょうが、私の場合、手力では抜けなかったので、ダンボールなどの詰めの位置を変えたりしながら上のピストンを出したり下のピストンを出したりし、徐々に抜き取りました。(矢印部の詰め物の位置を変えながら作業しました)

どれか一つでもピストンが完全に抜けてしまうと、キャリパー内部の気密性がなくなりポンプの力で押し出すことができなくなります。
もし抜けてしまった場合は、手で少しだけピストンを押し入れて、再度ポンプを使って他のピストンを外しにかかります。

ピストンが4つとも手で抜き取れる状態になったら、ダストシールをピストンから外します。(先に外しておいてもかまいません)


そしてピストンを外します。シリンダーとかじらないように真っ直ぐ出さないといけません。。


抜き取ったピストンですが、これも非常にきれいです。中古品とは思えません。(ってかO/Hする必要がなかった。。。)


次にピストンシールを外します。シリンダ内部を傷つけないようにするため、私はつまようじで外しました。




シリンダにもピストンにも特に目立つ汚れはなかったのですが、いちおうブレーキフルードを使って拭いたり流したりしました。


ピストンシールが入る溝もきれいにしておきます。


シールキットはseiken製を使いました。安いからです(^^ゞ
リヤ用のシールキットには3種類のグリスが付いていましたが、フロント用には付いていませんでした。。

でもピストンシールには最初からグリスが塗ってあるみたいです(ビニール袋に入っている)。

まずはピストンシールからはめ込んでいきます。(4箇所)


ピストンをブレーキフルードで適当に流してからシリンダに挿入します(シリンダにかじらないように真っ直ぐ慎重に。。)

※通常はピストンが汚いと思うので、研磨剤などを使ってピカピカにする必要があると思います。

ダストシールをはめ込む溝が引っ込まない程度までピストンを押し込んでおきます。


ダストシールですが、リヤ用のシールキットに付属していたオレンジ色のグリスを塗りました。
フロント用のシールキットには付いていなかったのですが、整備書には塗布しろと書いてあったので。(リヤ用のあまりを使いました)


ダストシールをピストンにはめて、キャリパの枠にもはめ込みます。そしてもう少しピストンを押し込みました。


リングをはめてダストシールを固定します。


これでキャリパーのオーバーホールは完了です(^o^)丿


外した残骸たち。。まだ綺麗でしたが、捨てます。



最後にキャリパーの取り付けです。

取り付けは取り外した時の逆の手順で進めていけばOKです。
いきなり塗装済みのキャリパーの写真です(^^ゞ 
(キャリパー塗装の紹介はDIYコーナー「ブレーキキャリパーの塗装」にあります)

キャリパーにブレーキパイプを付けてボルトで固定します。


そして、シムに鳴き止めグリスを塗ってパッドにくっつけます。


そしてパッドをはめ込みます。パッドが入らないときはピストンをもっと押し込みましょう。


パッドをはめたら、磨いたパッドピンを挿入し、Mクリップなど元に戻してパッドを固定します。


ブレーキフルードのエア抜きをして、作業完了です(^o^)丿


今回、ブレーキキャリパーのオーバーホールとFDキャリパーの流用を一度にしました。
流用したFDキャリパーの程度が良かったため、今まで使用していたFC純正キャリパーとの比較はできません。
でも今までよりも制動力がUPした(本来の性能に戻った)のは確実です(^-^)


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