フロントロアアームの交換とフロント強化ハブの取り付け 


左フロントを軽くヒットしたことがきっかけで、フロント足回りのリフレッシュを行いました。(2007年1月)

解体車のアンフィニくんから外していたフロントロアアームのブッシュ交換も終わり、いよいよ赤FCに取り付けます。
それと今回買ったフロント用の強化ハブ。無垢のジュラルミン削り出しで軽量かつ強い、という製品です。


作業に入ります。ジャッキアップして馬をかけておいて、キャリパーを外して吊っておきます。


ブレーキローターを外します。


ナックルからタイロッドエンドを外します。そしてショックアブソーバ固定ボルト2本も外します。


ロアアームとの接続部分であるボールジョイントは、ボールジョイントセパレータで外しました。これで車体から外せます。


スタビを固定しているボールジョイントの接続部分もナットを外して切り離しておきます。


今回のフロント足回り交換作業では、解体車のアンフィニくんから取り外したパーツを使おうと思います。
まずはアンフィニ(ABS無し車)とGTリミテッド(ABS付き車)の違いを見てみたいと思います。

左の写真はアンフィニのナックルで右の写真がGTリミテッド(ABS付)のナックルです。ハブには車輪速センサー用の歯車が付いています。


別の角度から。GTリミテッドには車輪速センサーおよびセンサー取り付け部分があるためナックル自体の形状が若干異なります。

※右の写真はセンサーのハーネスを切断しています。

GTリミテッドのハブを外してみました。オイルシールが結構くたびれています。。こうやってみると歯車がよく見えますね。


こちらはアンフィニくんから外したナックルとハブ。
今回はこのナックルを赤FC(GTリミテッド)に使います。ABSは撤去していますので、センサーなど気にせず流用できます。
とりあえずハブを外します。ハブキャップを外して・・・


スプリットピン(割りピン)を真っ直ぐに起こして抜き取って、ハブロックナット固定用のセットカバーを外します。
アンフィニくんの割りピンはまっすぐに戻そうとした時に折れてしまいました。。何回も使いまわしたんでしょうね。
本来は再使用不可のピンですので、やはり何度も曲げたり伸ばしたりすると折れるのでしょう。


ハブロックナットを外す前に、グリスをさっと拭き取りました。


そしてナットを外します。


ハブを外したら、オイルシールが剥げたようになっていました。。大丈夫かな。。


ハブベアリングとナットの間のワッシャも外して綺麗にしておきます。


ナックルやバックプレートも綺麗にします。ストレートで買った洗浄液を使ってスポンジたわしでゴシゴシときれいにしていきます。


洗浄中・・・


そして洗浄後の写真です。


きれいにするのはキリがないですが、汚れが落ちたのでOKとします。


バラしたついでにブレーキローターも綺麗にします。赤FCのをそのまま使おうと思います。
ワイヤーブラシを使って全体の錆び落としをしました。


スプレー塗装するので、パッドが当たる部分にマスキングをしました。


そして耐熱シルバーの缶スプレーで塗装しました。ちょっとしたリフレッシュで気持ちいいです(^-^)


ひと通り洗浄作業が済んだところで話はそれますが、ハブの重さを測ってみようと思います。けっこう興味があるかたもおられると思います。

まずはアンフィニ(ABS無し車)のハブ。
1.75kgです。


そしてスーパーナウ製のジュラルミンハブ。なんと
1.36kgです。意外な事実で純正よりも軽いです!!


最後にGTリミテッド(ABS付き車)のハブ。
1.98kgでした。。車輪速センサー用の歯車が重いようです。。


ということは今回のナウさんのハブにすることで、私のFCの場合、
0.62kgも軽くなります(^-^)


話を作業に戻して、ようやくフロントロアアームの交換に入ります。

作業に邪魔な樹脂のカバーを外します(外さなくても作業できますが、うっとおしいので外しました)。


ロアアーム後ろ側の固定ボルト2本を外して、ロアアーム前側のボルトナットを外してロアアームを取り外します。


外したロアアーム。汚れとシャーシブラックによって真っ黒です(^o^;) アンフィニくんから外した方は磨いたので綺麗です(^-^)


ブッシュの比較です。今までもマツスピ製ブッシュを付けていましたが、けっこうヨレヨレです。4万km程度なのですが。。
右の写真は今回入れた新品のマツスピ製ブッシュです。シャッキリ綺麗です。




前側のブッシュはピロにしたので比較のしようがありませんが、いちおう写真を並べてみました。


ボールジョイントの部分はゴムを外して中を確認したわけではないので分かりません。
手でゆすってみた限りでは違いがないです。


作業に戻って、フロントのスタビブッシュも交換します。邪魔なアンダーカバーは外して作業しました。
スタビブッシュはブラケットがボルト2本で固定されているだけなので、そのブラケットを外してブッシュを入れ替えるだけです。


純正の新品ブッシュにします。新品とヨレヨレのブッシュのツーショットです。

入れ替えるだけなので、写真はありません。気をつけることといえば、ブッシュの切れ目を車両の前側にして入れることでしょうか。
ブッシュ内側にはシリコンスプレーを塗ってから固定してみました。

いよいよロアアームの取り付けに入ります。
写真はピロブッシュ用のカラーです。短い方を車両の前側に、長い方を車両の後ろ側にセットします。


ロアアームを車両前方に約10mmずらして組み付けるので、後ろ側のブラケットも前側に約10mmずらして固定しないといけません。
そのため後ろ側ブッシュ固定用のブラケットも長穴加工されています。(ナウさんのピロブッシュの付属品です)
当然、長穴加工された部分が車両後ろ側になるようにセットしておきます。


そしてそれぞれのブッシュを仮どめしておきます。


左右とも仮どめ完了。


このピロブッシュは写真のように車両前側に約10mmずらしてキャスター角を増やそうといったパーツです。


スタビリンクの角度でみると分かりやすいと思います。
写真中の線は大げさに引いていますが、純正(赤線)よりも黄色線のようにキャスター角が増えます。


ロアアームの仮どめが済んだら、ナックルを組み付けます。ボールジョイント、車高調等のボルトを元通りに組み付けます。


作業風景・・・かなり散らかっています。工具を踏みつけそうです。。


やっと強化ジュラルミンハブの取り付けに入れます。ハブボルトは純正より2〜3mm長いです。


そのまま組み付けできるようにベアリングやオイルシールなどすべて組み付けられています。


今回ハブに使うために買ったグリスです。NUTECのハイパーMPグリース。通販で送料込3,000円程度。奮発しました(^^ゞ


とりあえずスピンドルに適当に塗りました。


ハブベアリングのまわりにもまんべんなく塗りたくります!!


そして奥までしっかりとはめ込みます。ワッシャとハブナットも仮に組み付けておきます。


3kg程度のトルクで締め付けてハブを回転させてベアリングをなじませては緩める、という作業を5回繰り返しました。
そしてバネ測りで0.6〜1.1kgで回り始めるところまでハブナットを締め付けます。私の場合1.0kgでした。
このやり方は自分なりの見解ではおかしいと判断したため、調整方法についてはページ一番下に追記しています。


割りピンは新品を使います。といっても純正品ではありません。径が4mmで長さが30mmのがちょうどよいと思います。


セットカバーをはめて割りピンを入れて折り曲げて固定します。汎用の割りピンなので純正のように片足が短くないため適度な長さにカットします。


そしてハブキャップをしてプラハンなどで奥まではめ込みます。


外したカバーを元に戻します。


ブレーキローターをはめ込んで、キャリパーを元に戻してボルトで固定します。(8〜10kgm)


タイロッドも元通りに組み付けます。反対側の作業も同様に。


タイヤを付けたらジャッキからおろします。


車重がかかった状態で、仮止めしていたボルトやナットを本締めします。


ロアアーム前側(6.4〜9.5kgm)。


ロアアーム後側(6.0〜7.5kgm)。


スタビブッシュ固定ブラケット(1.8〜2.7kgm)。


スタビのコントロールリンク部分(3.7〜5.1kgm)。


最後にアンダーカバーを元通りに取り付けて作業完了です(^o^)丿


今回の残骸です。。


【街乗りのインプレです】
まず、コーナリング中の不安定さがなくなりました。表現が難しいですが、変なハンドルの調整がなくなったような感じです。
きれいに曲がっていけるって感じでしょうか。コーナリング中のハブなどのガタによるアライメントの狂いがなくなったんだと思います。
まあこれはFC本来の能力に戻ったということなんでしょうが。

もう一つ体感したのは、直進性(直進安定性?)です。
ハンドルを切っている時に、元に(真っ直ぐに)戻ろうとする力が増えました。コーナリング中もそんな印象を受けましたが、コーナーを抜けていくぐらいの位置からが特に体感できました。(ステアリングから伝わりました)。これはキャスター角が増えているからだと思います。

以前よりかなり良くなったのは、街乗りでも体感できます。
ブッシュなどの交換部品や作業は地味な部類に入ると思いますが、今回は、なんかRX-7らしさを取り戻したようなとても嬉しい気分でした(^-^)

【その他】
数十キロ走ってからプリロードの調整を再度行いました。


テンパータイヤを使ってガタを確認しながら作業しました。
テンパータイヤだとホイールのセンターキャップがないので、ハブナットをつつきながらタイヤでガタの確認ができて便利です。


ハブのプリロード調整はプロの方のように感覚でわかるレベルでないと難しいそうです。かなり奥が深そうです。。
私は丸っきりの素人なので、当面は定期的にハブのガタをチェックしていこうと思います。


【追記 2007年1月26日】
ハブベアリングのプリロードについての追記です。
200km程度走ってから、ジャッキアップ&ハブのガタのチェックをしました。するとガタを確認。。(;^_^ A フキフキ

締め付けが足りないようです。新品ハブをつけた後は増し締めも必要なのかも知れませんが、勘違いしていた所があったので追記します。
プリロードの調整ですが、まず3kgm程度のトルクでハブナットを締め付けて、ハブを回転させベアリングを落ち着かせていったん緩めます。
そして、ハブの回転しはじめの重さをバネ測りで0.6〜1.1kgに調整しておけば良いんだと思っていました。

でも自分は違うと思います。この状態では締め付けはゆるいです。(走行後に測ったら0.4〜0.5kg程度でハブが回りました。。)
そこで整備書をもう一度読み直しました。

3kg程度でハブナットを締め付けてハブを回転させベアリングを落ち着かせてからいったん緩める・・・ここまでは同じです。
ここからが違います。
そしてハブナットを手の力で締め付けれる所まで締めておいて、その状態でバネ測りで回転しはじめの重さを測ります
仮にその重さが0.6kgとしたら、それはハブのオイルシールが接触している抵抗の重さです。

その重さ0.6kgにプラス0.6〜1.1kgになるように締め付ける必要があります。
従って、例を使った値で言えば、1.2〜1.7kgでハブが回転しはじめればいいと思います。

私の場合、今回の調整では1.6kgで回転しはじめるように調整しました。もちろん手で締め付けただけの状態が0.6kgだった場合の話です。
オイルシールの抵抗が例と違う重さだったら、「その重さ+0.6〜1.1kg」になるように締め付ければいいと思います。
これで少し走ってきてガタのチェックをしたところ、とりあえず問題なさそうです。キツくもないようですし。

今回のプリロード調整で何回ハブキャップを外したか分かりません。タイヤを外し、ローターを外し、ひたすら調整です。
途中からはパッドだけ外して調整しました。この方がローターごと外して作業するよりラクです(^_^)

とにかくかなりいじくりました。それだけプリロードは奥が深いです。
ゆるくてもだめ。キツくてもだめ。。当たり前のことだとわかっていても、その状態を感覚で判断できない自分は何度も調整してみました。
走っては調整し、走っては調整し、、の繰り返しです。
その都度、タイヤをゆすった感覚、ハブナットを締め付ける感覚、等々を身体で覚えるようにしながら調整具合を変えたり、バネ測りで測ったりです。

今回作業していい勉強になりました。でも正解をつかんでいるとは思いません。最終的に数値で判断しているからです。

あまり参考にならなくて申し訳ないですが、実際問題、プロに頼んだ方が安心できるのでは?って感想です。
プロの方でも個人差はあると思いますが。。


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