フロントロアアームのリフレッシュ(強化ブッシュ&ピロブッシュへの交換) 


左フロントを軽くヒットしたことがきっかけで足回りの整備に着手しました。
今回作業したのは、フロントロアアームブッシュのリフレッシュです。(2007年1月)


ブッシュ交換に必要な工具といえばプレスが思い浮かびます。(プーラーをうまく使うかたもおられますが)

前々から欲しいと思っていたプレス。あればあったで作業範囲が広がるはず。
そして格安の油圧プレスをネットで物色していたら、ストレートで小型の3.5tが15,000円弱で出ていました。これが第一候補。
次に目をつけたのがアストロのプレス。12t仕様で、高さは1.5m程度でコンパクト。価格は23,000円弱。う〜む。。

どちらも油圧ゲージをもたない安いタイプです。能力からいくとアストロの12tが欲しい。
どうしようか考えながらヤフオクで物色していたら、アストロとまったく同じ12tプレスが13,500円。新品で即決価格です。
ということで即決で買いました。。(^^ゞ これ以上安いのはそうはないだろうと思うし、いちおうネットショップで新品だったので。

さっそく組み立てました。安物だけあって組み付け精度は悪いです。何も考えずに組み立てると正面からみて平行四辺形になりました(^^;)
鉄板で詰め物などの細工をし、なんとか直角に組みあがりました。こんな感じです。
ボトルジャッキを載せたバー付きのフレームを下げていくタイプです。


12tあれば、たいがいは大丈夫でしょう。ブロックもちゃんと付属しています(^-^)


解体車のアンフィニくんから外したフロントロアアームです。このブッシュを交換してさるFC(赤FC)のと付け替えます。
写真は前側のブッシュです。


そしてこちらは後ろ側。


今回の主役はこちらです。
スーパーナウ製フロントロアアーム(前側)のピロブッシュと、


マツダスピード製フロントロアアームブッシュ(後側)です。(写真には関係ない部品も混ざっています。。)



ではさっそく抜き取り作業に入ります。できるだけ垂直にあてて、油圧をかけていきます。


するするっと抜けます。やはりプレスって素晴らしい!うれしい瞬間です(^-^)


こんな感じでボトルジャッキのレバーを上下させるだけです。


アンフィニくんについていたブッシュなので使用距離不明ですが、写真のように変形が見られます。


次はこの後側のブッシュを外します。


ディスクグラインダーでブッシュ(ブッシュに内蔵された金属も)を切断していきます。


気をつけて作業しないと、ロアアームの芯まで削ってしまいます。すごく神経を使いました。。


ある程度までカットして、ドライバーなどでコジって外そうとしましたが、外れません。。(*_*)
これ以上やるのは危険な香りがしたので、専用工具に頼ることにしました。

アストロまで走って、ベアリングセパレーター(50〜75mm)を買ってきました。3,800円なり。。痛い出費です。今後使い道があるのか!?


こんなふうに首ねっこをはさんで固定します。それをプレスのブロックを使って首ねっこをセットします。


プレスでぐいぐい押してやります。そしたら、これもスルっと外れました。やっぱ道具ですね( ̄▽ ̄)


ロアアームの芯は抜け防止のためかホースエンドのような竹の子みたいな形状になっています。右の写真は新品のマツスピブッシュです。


後側のブッシュから圧入していこうと思います。
使って良いものかどうか分かりませんが、私はシリコンスプレーをブッシュ内側に吹いて圧入作業に入りました。


垂直に立てて、当て木をはさんで、プレス!プレス!


なんなく入りました。さすが油圧の力はすごいです。

ブッシュの向きですが、ロアアームのきりかき(赤矢印)とブッシュのきりかき(黄色矢印)を合わせました。


根元までしっかり入っていればOKです。


後側のブッシュは左右とも完了!(^-^)




次はピロブッシュの圧入です。その前にロアアームの加工をします。
スーパーナウさんの製品で、FCの少ないキャスター角を増やすためにロアアームを全体的に車両前方に10mmぐらいずらします。
そのためロアアームの一部をカットします。製品構成はピロブッシュと、フロントロアアームブッシュ後側の固定ブラケット(長穴加工済み)です。


フロントロアアーム用ピロブッシュは数社から出ていると思います。
私が知っている限りでは、オリジナルボックスさんのとフジタさんのとナウさんの3つです。

フジタさんのは良し悪しの情報を入手できなかったのであえて選びませんでした。
オリジナルボックスさんのは「手の力で入った」というレポを読んだことがあり、過大な力が加わる足回りのピロブッシュが簡単に入ってしまうのはどうかと思い候補から外しました。
ナウさんのピロブッシュは圧入の遊びをなくしたキツめ仕様みたいだし、キャスター角が増やせるし、他にもFCパーツに関して意欲的・魅力的な製品が多いこともあり決定しました。

前置きが長くなりましたが、加工に入ります。

まず前側から約10mmのところにマーキングします。(私は9.5mmでマーキングしました)。


そしてバイスで固定して、ディスクグラインダに切断砥石をつけて大まかにカットします。


そして研削砥石に付け替えて、マーキングした位置に合わせて削っていきます。


そして仕上げに棒ヤスリ等でバリ取りをして加工完了です。



いよいよピロブッシュの圧入に入ります。プレスの高さを合わせてピロブッシュの端っこを挿入して・・・


適当な当て金(写真は建築用の座金)を間にはさんでプレス!プレス! 右の写真の位置までは順調に入りました。


でもあと少しが入りません。まっすぐに圧入したつもりではあるのですが。。


無理にプレスしていたら、プレス機の土台となるフレームがゆがんでいました。。(*_*)
このまま続行すると危険な香りがしたので、プレスをいったん中断し、もっと強靭なフレームを探しました。


家にあったH鋼の廃材を発見しました。まさに使ってくれと言わんばかりの寸法でした(^_^) それを半分に切断しました。


プレスに最初から付いていた土台のフレームと断面を比べてみます。いかにも強そう!! さっそくセットして番線で縛りました。


いざプレス再開です!ぐいぐい押し込みます。さすがごつい土台だけあって強いです(^-^)


最後の最後は、インパクト等のソケットをあてて下面のツラまでプレスしました。


こんな感じで、ブッシュ背面がツライチになればOKだと思います。


ブッシュ前面はツライチにこだわらなくても大丈夫です。


これでロアアームブッシュの交換が完了しました(^o^)丿 ロアアーム自体も洗浄液とスポンジタワシでごしごしやったので結構きれいです。


ロアアームのリフレッシュついでに、このスタビ用ピロの固定金具も・・・


錆び落とし&塗装できれいになりました(^-^)/


最後にピロブッシュ用のカラーと後側ブッシュ用のブラケットをセットして完成です。


「ロアアームの交換と強化ジュラルミンハブの取り付け」に続く


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