1JZ-GE(JZX100) タイミングベルト&ウォーターポンプ交換 


トヨタの1JZ-GEエンジンのタイミングベルトとウォーターポンプおよびテンショナーを交換した記録です。(2006年12月)

我が家のファミリーカーも走行距離10万kmを超え、タイミングベルトの交換時期がきました。
この車は足回りやオーディオなどはぼちぼちとつついているのですが、エンジンルームに関してはフルノーマルです。
いじるのはセブンというふうに割り切っているし、1JZ-GTE(ターボ)搭載車のようないじる楽しみもないので。。

これまでトラブルらしいことがほぼ皆無の車ですが、タイベル等の交換は避けて通れないでしょう。
エンジンルームはセブンしかいじったことがないのですが、整備書を持っていることだし、経費節減も兼ねて自分で作業することにしました。

トヨタ純正部品で揃えたかったのですが、車検を間近にひかえているし、お金がないので安上がりに第2ブランドで揃えました。

オークションで新品を安く販売されているところで購入しました。

今回の1番の目的であるタイミングベルト。


タイミングベルト用のテンショナー&プーリー。




そしてタイミングベルトを交換する際に、ついでに交換しておきたいウォーターポンプです。




さっそく作業にかかります。
エアクリーナー用のダクトを取り外します。


テンショナーをメガネで緩める方向に力を加えながらファンベルトを外します。

いまどきの車がすべてそうなのかわかりませんが、テンショナーでベルトの張りを常に保ってくれる機能っていいですね。
ベルトも1本で、エアコン・パワステ・オルタ・ファンのすべてをまかなってくれますし。FC3Sは細かくベルトがわかれていて更にそれぞれ人間の感覚でテンションを調整しないといけないし、比較したらFCのはすごく原始的に感じます。。

取り外したベルトとファンです。


アンダーカバーを外して、ラジエターを外す準備をします。
そういえば、クランク下にはオイル漏れの跡もないし軸受けのオイルシールは問題ないみたいです。


クーラントを抜きます。ドレンに適当なチューブをつないで、コックをひねれば排出できます。すごく親切な仕様です。
FCの場合はラジエター底の樹脂のドレン(ネジ)を外すのですが、その際によくクーラントを手にぶっかけます。。


こんな感じでバケツで受け止めます。右の写真のホースも外して、サブタンク内のクーラントも下側においているバケツへ排出します。


次ですが、FCでは見慣れないホースがラジエターにつながっています。
どうもATフルードのラインみたいです。ラジエターコアがATFクーラーにもなっているみたいですね。


これらのホースも外さないとラジエターが外せません。
写真のような感じでIN側とOUT側のラインをホースで直結してフルードが垂れるのを防ぎました。
手早く作業しても少しはフルードが垂れますが、気にしなくてもいいでしょう。ラジエター側はボルトやチューブで栓をしました。


そしてアッパーホースとロアホース、ラジエター固定ネジ2本を外して、ラジエター本体を引っこ抜きます。


この車のを外したのは初めてですが、きたないきたない。。。(^o^;)
枯れ葉もけっこうつまっていました。まあ、水温を気にするような仕様ではないので特に困ったことはありませんでしたが。


次にタイベルのカバーを2つ外して、ついにご対面です(^-^) 向かって右側のカムプーリーはVVT-iのため特殊っぽいです。


ウォーターポンプ(写真左)とクランクプーリー(写真右)です。
ウォーターポンプの接合面からは特に水漏れの跡はありませんでしたが、軸受けなどの磨耗や劣化で突然ダメになる事例もあるらしいです。
トヨタ車特有のことなんですかね。FCのウォーターポンプとか15万km気にもしたことないです。替えた方がいいのかもしれませんね。

クランクプーリーは330N・m(約33kgf・m)のトルクで締め付けられています。外すのが大変そうです。
FCのフライホイールの50kgに比べればまだマシな方なんでしょうが。。

とりあえず邪魔なファンベルト用のテンショナーを外しました。


クランクプーリーの固定ボルトですが、写真のような22mmのソケットとスピンナーハンドルと鉄パイプで外しにかかりました。
クランクの回り止めですが、フライホイールのところの小窓から見えるボルトの頭に14mmのソケットをはめて対処しました。


そして思い切り力をこめて緩めました。メチャメチャ固いです。
「パキンッ」という景気のいい音とともに外れた!!っと思ったら工具が破損していました。。(大汗)

3/8sqの工具で外そうと思ったのが大間違いです。

1/2sq以上のソケット&ハンドルを持っていないので、どうやって緩めようかしばらく考えました。クランキングで緩めるという大技もあるみたいですが。。
結局メガネとジャッキで外すことにしました。私がよく使う方法です。
写真のようにメガネをほぼ水平にかませて、油圧ジャッキでぐいぐいと押し上げて力を加えるやり方です。

この方法で「カキンッ」「ゴキンッ」っていう音とともに緩めることができました。

ボルトが緩んだら次はクランクプーリーの取り外しです。プラハンなどでコンコンやってもびくともしません。。
専用のプーラーは持っていないし、ギヤプーラーを無理に使うとクランクプーリーが欠けたりするらしいし。。う〜む・・・。

専用工具を買うと結構高いし、嫁さんの足ぐるまなので作業を長引かせるのもできないし、、、
考えた結果、ギヤプーラーを改造して使うことにしました。


写真のように普通のギヤプーラーですが、これに汎用の長穴付きステーを付け替えて専用工具っぽくしました。
これだとステーとボルト代だけなので数百円です。それとプーリーの穴に合うボルト2本を準備して取り外しにかかります。


プーリーの固定ボルトが抜けない程度に緩めた状態で、自作プーラーをセットします。

プーリーのサービスホール(ネジ穴)にボルトをねじ込み、ラチェットでぐいぐいまわしていくと、簡単に外すことができました(^-^)



クランクプーリーが外れたので、その部分のカバーを外して、ようやくタイベルが全部見える状態になりました。


タイミングベルトを外す前に、プーリーを上死点にあわせて、ベルトにマーキングをしておきます。


クランクシャフトのギヤとベルト部分にもマーキングをしておきます。これで取り外しの準備完了です。


テンショナーを外しにかかります。 作業に邪魔になるオルタネータを外してぶらさげておきます。


そしてテンショナーの固定ボルト2本とプーリーの固定ボルト1本を外して、プーリーとテンショナーを外します。


これでベルトがゆるゆるの状態になったので、タイミングベルトも外します。


そしてウォーターポンプを外しました。ポンプを外したら、内部に残っていたクーラントがドボドボ出てきました。。(^^;)


ウォーターポンプを外す際に、1箇所だけ非常に外しにくい(はめにくい)ボルトがありました。
本来はカムプーリーを外して、カムプーリー裏のカバーを外して作業するような設計なのでしょうが、自分はそのまま作業しました。
安物コンビネーションレンチ(10mm)をディスクグラインダーで薄っぺらくなるように削って、そのボルトを無理やり緩めたり固定したりしました。


新旧のウォーターポンプのツーショットです。黒い樹脂製の羽がついているのが新しい方です。


新しいウォーターポンプの取り付けの準備ですが、エンジン側の接合部分をピカールなどで綺麗に磨いておきます。
そしてウォーターポンプ本体にガスケットをあてがっておきます。


写真を撮り忘れていたので、すでにベルトをはめた写真ですが、新しいウォーターポンプを取り付けた状態の写真です。
ボルトの締め付けトルクですが、整備書通りに作業しました。今回デジラチェが大活躍です(^-^)


ウォーターポンプ後ろ側からエンジンにつながる冷却水のジョイント継ぎ目からクーラント漏れの跡があったので外してみました。
Oリング3個を使ってシールされているみたいですが、そのOリングがペッタンコです(^o^;) 漏れて当然。。


近くのディーラーでトヨタ純正品のOリングを注文して翌日届きました。左の写真は変形したOリングです。


Oリングを使っての接合なので、接合面の凸凹はあまり神経質にならなくて良いのでしょうが、いちおうピカールで綺麗に磨いておきました。


新しいOリングはめて、元通りに固定しておきます。Oリングにはシリコンスプレーを少し吹き付けて作業しました。


いよいよ新しいタイベルをはめる準備をします。


先ほどマーキングした古いベルトと新しいベルトを重ねて、新しい方にもベルトの歯数を合わせてマーキングを写しておきました。


そしてカムプーリーとクランクプーリーのマーキングに合わせてベルトをはめ込みます。


テンショナープーリーとテンショナーの新旧ツーショットです。
テンショナーのピンは本体を固定してから引き抜いてベルトのテンションをかけるものです。先に抜いてしまうと取り付けできません。。


ベルトの位置が正しいことを再度確認して、テンショナーを固定します。


そしてピンを引っこ抜いてベルトにテンションがかかった状態にします。


クランク側のカバーを元に戻して、クランクプーリーを仮にはめて見て回転させてもずれがないことを確認しておきます。
問題なければ、クランクプーリー固定ボルトを締め付けます。トルク330N/mを測定する道具がないので、外すときと同じようにメガネと油圧ジャッキで固〜く締め付けておきました(^^ゞ


そしてファンベルトのテンショナーとオルタネータを元に戻しておきます。


タイベルのカバー2つを元に戻します。


ウォーターポンププーリーをはめておいて、ラジエターとカップリングファンを固定していきます。




ATFクーラー用のホースも元通りにつなぎなおします。


フライホイールの回り止めをするために外したミッション部分のカバーも通りにはめ込んでおきます。


ラジエターのアッパーホースとロアホースも元通りにつないでおきます。


クーラントを入れてエンジンをかけてヒーター全開にて、エア抜きします。
30分くらいエア抜きしました。FCのように少し走ってきてクーラントを再度補充するようなことはなく、一発でエア抜きできました。


これで作業完了です(^o^)丿 また安心してぶん回せますね。


ロータリーエンジンには無い、タイミングベルトの交換で、少し時間もかかり、なかなか勉強になる作業でした。
こうやって考えるといろいろな車種をチャチャっとメンテできる人ってすごいですね。


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